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映像四郎の百人斬り

映像四郎の百人斬り

「あり地獄電話」

 地下鉄A子ちゃんから「あり地獄電話」



 妙に、ダウナー系に過ごしたい日曜の夕方、

 これから、新宿をぷらぷらお散歩しながら、

 本でもよむのだぁと、ボウっと駅に向かって歩いていたら

 「地下鉄A子ちゃん」より、着信あり。

 しかも、薬とお酒のちゃんぽんで、

 すでに、「ハイパーテンション」状態。

 「犬飼って、大人しゅうしとったんじゃなかったんかあ!」と、

 想いつつも、強力に「飲み」へのお誘い攻撃が、始められてしまった。

 どうしても、「飲みの道連れ」が欲しくなるとき、

 「地下鉄A子ちゃん」は、「泣き落とし」にかかる。

 しかも、「おれおれ詐欺」も真っ青なくらい、基本に忠実だ。

 私の本能が、危険を感知する。

 あまり、基本に忠実なトークは、

 「地下鉄A子ちゃん」の「ブラックマリア」と呼ばれる

 「深層人格」が発動されている可能性が大なのだ。

 たまになら、良くても、ひっきりなしだと、

 正直、擦り減ってしまいそうになる。

 「ダウナー系」だと、白状すると

 「地下鉄A子ちゃん」は、心配してくれたらしく、

 中毒にならない向精神薬を私にくれるとおっしゃる。

 「地下鉄A子ちゃん」にとって「精神」もしくは「テンション」の浮沈は、

 生死にかかわるのだ。

 だが、私は、所詮、一般人。

 呆っとして、ネジを巻きな直すことだって日常茶飯事。

 親切は、ありがたいけど、そんなものまで、いりません。

 たまに「地下鉄A子ちゃん」との「飲み」は、

 精神的な「ベトナム戦争」に感じられることがある。

 心の動き方が、突発的で、「ギアチェンジ」が、全く読めないのだ。

 私は、別に、人の心の動きに敏感な方ではない。

 むしろ、鈍い方だ。

 だが、しかし「地下鉄A子ちゃん」の強靭な「ギアチェンジ」は、

 私にとって、「密林」に迷い込んだ「米兵」に対して、

 突如ワープしてくる「ベトコン」に近い。

 それくらい、予測不能な機動力を感じさせる。

 気づくと、背中から、撃たれているのだ。

 何故、ただの飲み友達なのに、そんな目に遭わされなきゃならんのだ。

 と感じつつも「地下鉄A子ちゃん」は、

 「クロージング」に入った。

 もと、そっち系の営業畑で、百戦錬磨だったらしい「地下鉄A子ちゃん」は、

 ある種の「追い詰められた精神状態」になると、

 自然と、基本に忠実なトークになる。

 私が、一緒に、飲んでやらないと、どうやら死んでしまうらしい。

 だが、逆に、こういうときは、無視しても、

 たとえ「テポドン」で、東京が焼け野原にされたとしても、

 「地下鉄A子ちゃん」は死なない。

 何かの弾みに、地下鉄に、私まで、引きずりこまれても、

 「地下鉄A子ちゃん」だけは、無敵なはずだ。

 だから「ぶっち」した。

 翌日、「ごめんねメール」が入り、「地下鉄A子ちゃん」は、

 やはり、生きていた。




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